2008年5月 9日

中小企業経営承継円滑化法の成立

 本日,「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」が成立しました。柱としては,民法に特例を設け,家庭裁判所の認可などがあれば,自社株をすべてを後継者が相続できるようにして, 相続に伴って株式が他の親族らに分散するのを防ぎ,後継者への円滑な事業承継を後押しようとするものです。

 適用を受ける「中小企業者」とは,中小企業基本法の中小企業者(製造業その他は資本金3億円以下又は従業員300人以下,卸売業は資本金1億円以下又は従業員100人以下,小売業 は資本金5000万円以下又は従業員50人以下,サービス業は資本金5000万円以下又は従業員100人以下)をいいます。

 具体的な内容の要点は次のとおりです。

  • 遺留分に関する民法の特例
     一定の中小企業者の後継者が,先代経営者の遺留分権利者全員と合意を行い,一定の手続(経済産業大臣の確認及び家庭裁判所の許可)を経た場合には,①生前贈与株式の遺留分対象からの除外(後継者が先代経営者からの贈与等により取得した自社株式について,遺留分算定の基礎となる財産に算入しない)及び②生前贈与株式の評価額の固定化(後継者が先代経営者からの贈与等により取得した自社株式について,遺留分算定の基礎となる財産の価額を,合意の時における価額とする)の特例の適用を受けることができます。
  • 金融支援
     経営者の死亡等に伴い必要となる資金調達を支援するため,経済産業大臣の認定を受けた中小企業者及びその代表者に対する融資制度が設けられました。法人・個人事業者,親族内・親族外承継を含めて,①自社株式・事業用資産の取得資金,②信用力低下時の運転資金,③相続税負担に対応しています(貸付金利は特別利率)。
  • 相続税の課税についての措置
     非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度が創設され,後継者が相続等により取得した中小企業者である自社の株式の評価額の80%に対応する相続税が納税猶予され,その後後継者が死亡の時まで保有し続けた場合等には,最終的に納税が免除されます。ただし,5年間の事業継続(雇用の8割以上の維持等)その他の要件を満たさない場合には,猶予されていた相続税の納付義務が生じることとなります。

 

 なお,施行日は,平成20年10月1日とされ,ただし,相続税の納税猶予制度については,平成21年度税制改正で創設され,経営承継円滑化法の施行日(平成20年10月1日)以降の相続に遡って適用されます。

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