2009年4月 5日

特定住宅瑕疵担保責任履行確保法の施行

 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(平成19年5月30日法律第66号)によって,住宅を供給する事業者には,住宅品質確保法で定められた瑕疵担保責任(構造耐力上主要な部分と雨水の防水にかかる部分の瑕疵について10年間無償で修理等を行う責任)を果たすための資金をあらかじめ「供託」または「保険」によって確保することが義務付けられましたが,平成21年10月1日以降に新築住宅を引き渡す場合に,この保険加入又は供託のいずれかの対応が必要となりますので,そろそろ準備が必要です。

 この法律の概要は,次のとおりです。

 【法律の目的】(1条)
 建設業者による住宅建設瑕疵担保保証金の供託,宅地建物取引業者による住宅販売瑕疵担保保証金の供託,住宅瑕疵担保責任保険法人の指定及び住宅瑕疵担保責任保険契約に係る新築住宅に関する紛争の処理体制等について定めることにより,住宅品質確保法と相まって,住宅を新築する建設工事の発注者及び新築住宅の買主の利益の保護並びに円滑な住宅の供給を図る。 

【住宅の定義】(2条1項)
 「住宅」とは,住宅品質確保法第2条第1項に規定する住宅をいい,「新築住宅」とは同条2項に規定する新築住宅をいう。従って,竣工後1年を経過した住宅や一旦居住後に転売された住宅などは対象とならない。 

【瑕疵の定義】(2条4項)
 「特定住宅瑕疵担保責任」とは,住宅品質確保法94条1項又は95条1項の規定による担保の責任をいう。従って,この法律で履行の確保すなわち保険の付保等を義務づけられる範囲は,「住宅のうち構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるものの瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く)」となる。

 【保険契約の内容】(2条5,6項)

  •  「住宅瑕疵担保責任保険契約」とは,建設業者または宅地建物取引業者が保険料を支払い,これらの事業者が住宅品質確保法等の規定により,瑕疵担保責任を履行したときに生じた損害等をてん補する保険で,次の要件に適合する保険契約をいう。
     ①建設業者または宅地建物取引業者が,瑕疵担保責任を履行したときに,当該事業者の請求に基づき,その履行によって生じた損害をてん補するものであること。ただし,これらの事業者が,相当の期間を経過してもなお瑕疵担保責任を履行しないときには,当該新築住宅の発注者または買主が保険金を請求できるものであること。②住宅あたりの保険金額は,2000万円以上で,有効期間が10年以上であること。③国土交通大臣の承認を受けた場合を除き,変更または解除をすることができないこと。
     なお,資力確保が義務付けられるのは,発注者・売主が宅地建物取引業者である場合は除かれており,例えば新築分譲住宅で,宅地建物取引業者が建設業者に工事を依頼し,その住宅を顧客に販売する場合,宅地建物取引業者に住宅を引き渡す建設業者は資力確保の対象にはならない。
  •  「住宅建設瑕疵担保責任保険契約」とは,①建設業者が保険料を支払うことを約するものであること。②その引受けを行う者が次に掲げる事項を約して保険料を収受するものであること。(ア)住宅品質確保法94条1項の規定による特定住宅建設瑕疵担保責任に係る新築住宅に同項に規定する瑕疵がある場合において,建設業者が当該特定住宅建設瑕疵担保責任を履行したときに,当該建設業者の請求に基づき,その履行によって生じた当該建設業者の損害をてん補するものであること。(イ)特定住宅建設瑕疵担保責任に係る新築住宅に住宅品質確保法94条1項に規定する瑕疵がある場合において,建設業者が相当の期間を経過してもなお当該特定住宅建設瑕疵担保責任を履行しないときに,当該住宅を新築する建設工事の発注者(建設業法2条5項に規定する発注者をいい,宅地建物取引業者であるものを除く)の請求に基づき,その瑕疵によって生じた当該発注者の損害をてん補するものであること。 ③上記(ア)(イ)の損害をてん補するための保険金額が二千万円以上のものであること。④住宅を新築する建設工事の発注者が当該建設工事の請負人である建設業者から当該建設工事に係る新築住宅の引渡しを受けた時から10 年以上の期間にわたって有効なものであること。⑤国土交通大臣の承認を受けた場合を除き,変更又は解除をすることができないものであること。⑥その内容が国土交通省令で定める基準に適合するものであること。

【保険契約等の締結状況の報告義務】(3条~5条,11条~13条)
 建設業許可を受けた建設業者または宅建業免許を受けた宅地建物取引業者は,毎年3月31日と9月30日の2回を基準日として年に2回それぞれの許可または免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に対して保険契約の締結状況を届け出る。この届出をしない場合は,その基準日の翌日から50日を経過した日から新たに請負契約,または売買契約をすることができず,もし契約をすると,1年以下の懲役か100万円以下の罰金,またはその両方に処せられる(39条)

 【国土交通大臣による住宅瑕疵担保責任保険法人の指定】(17条~32条)
 この保険を取り扱う一般社団法人,一般財団法人,その他政令で定める法人は,保険等の業務を的確に行うことができる財産的基礎があることなどの基準を満たし,業務規定が適切であるとの認可を受けて,国土交通大臣から住宅瑕疵担保責任保険法人として指定されることが必要である。

【住宅瑕疵担保責任保険契約にかかる紛争の処理】(33条~34条)
 住宅瑕疵担保責任保険契約に係る新築住宅(住宅品質確保法67条12項に規定する評価住宅を除く)の建設工事の請負契約又は売買契約に関する紛争の当事者の双方又は一方からの申請により,住宅品質確保法66条2項に規定する指定住宅紛争処理機関は,当該紛争のあっせん,調停及び仲裁の業務を行うことができる。

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