2009年6月16日

改正著作権法

著作権法の一部を改正する法律案
(平成21年6月12日成立・平成22年1月1日施行)

【改正趣旨】
 インターネット等を活用して著作物等を利用する際の著作権法上の諸課題(インターネット利用事業の遅れ,正規事業を上回る規模の違法配信からの複製,障害者の情報格差の拡大)の解決を図る。

【改正概要】

● インターネット等を活用した著作物利用の円滑化
   
   権利者の許諾なく次の行為を行えるようにした。  

  •  インターネットで情報検索サービスを実施するための複製等
 これまではウェブサイトの複製などを行う検索エンジンのサーバーを国内に置くことの法的な位置づけが不明確でしたが,ストリーミング配信におけるキャッシュや,検索エンジンが行うコンテンツの複製などについて,必要と認められる限度においては,権利者の許諾を必要としないことを明文化したので,インターネットの情報検索サービスを行うことが容易になりました。

  •  過去の放送番組等をインターネットで二次利用する際に権利者が所在不明等である場合の利用
 テレビ番組を,インターネット配信などで2次利用するためには,俳優らすべての出演者の許諾が必要で,これまでは制作から時間が経って連絡先がわからないケースが問題でしたが,テレビ局などが担保金を供託すれば,すぐに番組を使えるようになりました。

  •  国立国会図書館における所蔵資料の電子化
  •  インターネット販売等での美術品等の画像掲載
  •  情報解析研究のための複製
  •  送信の効率化等のための複製  

● 違法な著作物の流通抑止

  •  インターネット販売等で海賊版と承知の上で行う販売の申出を権利侵害として,違反した場合に罰則(5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金または併科)を科した。
 インターネットを利用して海賊版と知った上で音楽や映像,書籍などをネットオークションなどに出品する行為などが禁止され,違反した場合の罰則も設けられました。販売を申出れば,実際に販売しなくても違法になります。

  •  違法なインターネット配信による音楽・映像を違法と知りながら複製することを権利侵害とした(罰則なし)。
 違法サイトからのダウンロードや,ファイル交換ソフトなどで,音楽や映像を入手することも,それが私的使用目的でも違法としました(ダウンロード違法化)。違反者に対する罰則は設けられませんでしたが,差止請求や損害賠償請求の対象となる余地は広がったと言えるでしょう。

● 障害者の情報利用の機会の確保

   権利者に無許諾で行える範囲を拡大した。

  •  視覚障害者向け録音図書作成が可能な施設を公共図書館等にも。
  •  聴覚障害者のための映画や放送番組への字幕や手話の付与を可能に。
  •  発達障害等で利用困難な者に応じた方式での複製を可能に。
  視覚障害者向けの録音図書を一般の公共図書館で作成したり,聴覚障害者向けに映画や放送番組に字幕や手話の映像をつけたり,知的障害者や発達障害者向けのデジタル録音図書を作成したりすることなどが,著作権者の許諾がなくても行えるようになりました。

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